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1/04/2021

Sword of Kings (The Last Kingdom Series)(YL6)

Sword of Kings: A Novel (Saxon Tales Book 12) (English Edition) Kindle版(語数88,000)

Alfredからその玉座を引き継いで25年。924年King Edwardがついに死ぬ。

長男のÆthelstanには非嫡出子の噂が付きまとい、次男のÆlfweardはわがままで残虐、力のある諸侯Æthelstan the Youngerの甥でもある。

どちらに玉座を譲るか決めかねたEdwardはÆthelstanをMerciaの王とし、ÆlfweardをWessexとEast Angliaの王にするという中途半端なことを遺言としたからさぁ大変。

当然ÆthelstanとÆlfweardの間で衝突が起こる。主人公UhtredはÆthelstanに誓いを立てている。Saxon人同士で争えばいいとも思うが、誓いにの為に今回もNorthumbriaを出立するのだ。義理の息子Sigtryggrや妻のEadith、右腕のFinanなどみんなから反対されつつ、頑固なのは相変わらず…。

今回もたくさんの人が死に、これは続くしかないでしょうというエンディング。未来は明るくないのでつらい…!

登場人物

  • Eadith…主人公の妻。
  • Sigtryggr…主人公の義理の息子。King of Northumbria。Æthelstanの姉を後妻にしている。
  • Ælswyth…Æthelstan the Elderの娘。主人公の義理の娘でもある。
  • Eadgyth…Æthelstanの双子の姉。
  • Father Cuthbert…主人公のもとで暮らす盲目の神父。King Edwardの最初の結婚のときの立会人。
  • Ælfweard…Æthelhelm the Elderの孫。King Edward of Wessexの息子。ワガママ。
  • Æthelstan…King Edward of Wessexの長男。
  • Æthelhelm the Younger…Æthelhelm the Elderの長男。主人公を忌み嫌っている。
  • Waormund…Æthelhelm the Youngerの部下の大男。とても残虐で強い。味方にすればいいが戦いたくはない。
  • Eadgifu…Edwardの後妻。Queen Eadgifu of Mercia。CentのEaldorman Sigehelmの娘。Ælfweardの母ÆfflaedがまだKing Edwardの妻だったときにEdwardと会って彼が夢中になったので、ÆlfweardやÆfflaedの兄弟Æthelhelm the Youngerからは嫌われている。
  • Sigulf…Eadgifuの兄弟。eadldoman of Cent。
  • Benedetta…Eadgifuの侍女。イタリア出身。12才のときに奴隷として売り飛ばされた。なかなかの美人で賢さと度胸のよさもみえ、主人公は惹かれる。
  • Father Oda…もともとDane人の神父。今はÆthelstanの神父。
  • Gunnald Gunnaldson…Benedettaが復讐したい奴隷商人の男。
  • Merewalh…Æthelstanの部下。主人公との付き合いも長い。忠誠心のあつい誠実な男で用心深い。
  • Guthfrith…Sigtryggrの弟。

12/31/2019

War of the Wolf (The Last Kingdom Series, Book 11)(YL6)

War of the Wolf (The Last Kingdom Series, Book 11) (English Edition) (語数117,160)

60歳すぎての隠遁生活。

Æthelflaedも亡くなり、MerciaにちょっかいをかけはじめたEdwardの動きは気になるものの、Merciaは内紛状態。Northumbriaは勝手にMerciaとSaxonがやりあってくれればいいだけだと思っている。

とはいえ、Edwardの長男Æthelstanが可愛い主人公。Northumbriaのことは娘と義理の息子Sigtryggrに預けて、Æthelstanが窮地だと思えばつい助けたくなる。

なじみのキャラはみんな年をとり、亡くなったりして、主人公も当時で60すぎでしょ?…と思いつつ、なかなかショックな展開です。え、そこで好感度高かったキャラが……。

同世代はどんどん亡くなっているけど、次世代とのしがらみも色々あって、「大嫌い」と思いつつ誓いを守るためにAlfredに従っていた主人公らしい"制約"で物語は進行していく感じかな?それにしてもあのキャラが亡くなってしまったのはショック……。

登場人物

  • Stiorra…主人公の愛娘。
  • Sigtryggr…Stiorraの夫。
  • Finan…主人公の親友であり片腕。アイリッシュ。
  • Eadith…主人公の妻。もとはÆthelredの愛人。
  • Sister Sunngifu…凄い美人。またの名をMus。Sister Gomerであり、Bishop Leofstanと結婚。トラブルメーカー。
  • Brother Osric…主人公にCeaster包囲の情報をもってきた僧侶。
  • Father Swithred…主人公を嫌っている年寄りの聖職者。
  • Ieremias…主人公のもとにいる司教。Dane人だが突然改宗。トチ狂ってるのかマトモなのかわからない。
  • Æthelstan…King Edwardの長男。25、6才。熱心なChristian。かつて主人公の手元で育てられた。
  • Eadgyth…Æthelstanと双子の妹。
  • Ælfweard…Edwardと後妻の間の子。次男。Æthelhelmの孫。
  • Æthelhelm…Edwardの二番目の妻の父。主人公が捕虜にしていたときに死んだ。
  • Æthelhelm the Younger…Ealdorman of Wiltunscir。Æthelhelmの長男。甥のÆlweardを応援している。30才くらい。
  • Ælswyth…Æthelhelm the Youngerの末の妹。主人公が帰れと諭しても帰らず、Bebbanburgにとどまった。Uhtred the Yongerの妻に。

Queen Jezebel: A Catherine de' Medici Novel(YL5)

Queen Jezebel: (Medici Trilogy) (English Edition)(語数116,000)

Catherineは与えられた状況の中で、夫の死後もあれこれ画策するけれども、常にギリギリのところを生き抜く感じですね。そしてCatherineの周りにはHenryがいっぱい…。まずは溺愛するCatherineの3男のHenry。Margotの恋人、Guise家のHenry。Navarre王国のHenry…とみんな年も近いしね。夫といい、Henryに振り回された一生と言えそう。

次男のCharlesの王になってからの病んだ感じはドラマのクイーンメアリでも描かれていたし。三男のHenryも溺愛しすぎてアテにならないし。イタリアから単身ロクな後ろ盾もなく乗り込んできて、夫からもそう愛されず、王子を4人も産んだものの、手持ちの札が悪すぎる…!

プロテスタントとの混乱ぶりも描けていて、アタマに入れていくには手ごろだと思います。

登場人物

Navarre

  • Jeanne…Navarreの王女。Francisの姪。
  • Marguerite…Jeanneの母。Francisの姉妹。
  • Duc de Clèves…Jeanneの最初の夫。
  • Henry of Navarre…Jeanneの息子。

Bourbon

  • Antonie de Bourbon…ハンサム。ブルボン家の長男。
  • Prince of Conde…ハンサム。ブルボン家の次男。
  • Princess Eléonore…Conde の嫁。
  • Gaspard de Coligny…Eléonoreの叔父。

Valois

  • Francis…Catherineの長男。
  • Charles…Catherineの次男。
  • Henry…Catherineの3男。Charlesよりひとつ下。洗礼名はEdouardAlexandre。Catherine溺愛。オサレ好きすぎない?
  • Margot…Catherineの娘。5歳。
  • Elisabeth…Spainへ嫁いだCatherineの娘。
  • Claude…Duke of Lorraineの妻になったCatherineの娘。
  • Hercule…第4王子。

Guise

  • Duke Francis…Guiseのトップ。
  • the Cardinal of Lorraine…Guise家でも一番力ある。ハンサムだし。
  • Henry…Francisの息子。なかなかのハンサムでFrancisそっくり。父親をとても尊敬している。王女のMargotは彼に夢中。
  • Hercule…Duke of Guiseの末っ子。Margotよりひとつ下。JeanneのHenryより数ヶ月下の4才。とても可愛かったが天然痘で。
  • Duke of Aumale…Henryの叔父。

3/10/2019

The Italian Woman: (Medici Trilogy) (YL5)

The Italian Woman: (Medici Trilogy)
Cornerstone Digital (2011-02-15)

The Italian Woman: (Medici Trilogy) (English Edition) (語数約 91,195語)

2巻ではNavarre王国の姫JeanneもCatherineの人生と交錯するようにクローズアップされます。彼女も叔父のフランス王Francisの戦略のコマとして、望まない最初の結婚をします。しかし数年後、最初の夫が死に、Jeanneの方は一目惚れしたAntonie de Bourbonと結婚。二人は幸せな生活を築きます。

一方のCatherineは夫がいる間は王妃の座にいながら軽んじられ続け、子どもたちからは恐れられ…。夫が死んだことによってようやく「自由」を得て、子どもたちが王になることで、権力をも得ます。とはいえ、Guise一族やスペインとの関係…、と彼女を阻もうとする敵も多い。

内戦で国が荒廃してくる中、JeanneはProtestantの為に動こうとし、CatherineはCatherineで権力を手放さないよう邁進していく…。

主な登場人物

Navarre

  • Jeanne…Navarreの王女。Francisの姪。
  • Marguerite…Jeanneの母。Francisの姉妹。
  • Baillive of Caen…Jeanne の家庭教師。
  • Duc de Clèves…Jeanneの夫。24才。

Bourbon

  • Antonie de Bourbon…ハンサム。ブルボン家の長男。
  • Prince of Conde…ハンサム。ブルボン家の次男。
  • Princess Eléonore…Conde の嫁。
  • Gaspard de Coligny…Eléonoreの叔父。

Valois

  • Francis…Catherineの長男。
  • Charles…Catherineの次男。
  • Henry…Catherineの3男。Charlesよりひとつ下。洗礼名はEdouardAlexandre。Catherine溺愛。オサレ好きすぎない?
  • Margot…Catherineの娘。
  • Elisabeth…スペインへ嫁いだCatherineの娘。
  • Claude…Duke of Lorraineの妻になったCatherineの娘。
  • Hercule…第4王子。

Guise

  • Duke Francis…Guiseのトップ。
  • Hercule…Duke of Guiseの末っ子。Margotよりひとつ下。JeanneのHenryより数ヶ月下の4才。とても可愛かったが天然痘で。
  • the Cardinal of Lorraine…Guise家でも一番力ある。ハンサムだし。
  • Henry…Francisの息子。なかなかのハンサムでFrancisそっくり。父親をとても尊敬している。王女のMargotは彼に夢中。
  • Duke of Aumale…Henryの叔父。

その他

  • Ambroise Paré…フランス一の医者。Huguenotだが、Francis王の病状があまりに重いのでGuise家が許可。
  • Coligny…Admiral。Francis王の死後、王となったCharlesのお気にいり。
  • Loise de la Limaudiere…CatherineからAntoine誘惑を命ぜられる。
  • Isabella de Limeuil…CatherineこらConde 誘惑を命ぜられる。
  • Marie Touchet…Charlesの気に入る地方の娘。
  • Sebastian…Portugalの王子。スペインPhilip王の甥っ子。
  • Princess of Clèves…Henry of Guiseに憧れている。
  • Jacqueline d'Entremont…Savoyからきた資産家の未亡人。Colingnyの熱狂的信者。二番目の妻。

10/21/2018

Madame Serpent: (Medici Trilogy)(YL5)

Madame Serpent: (Medici Trilogy)
Cornerstone Digital (2010-12-07)

Madame Serpent: (Medici Trilogy) (語数約 98,000語)

ドラマ「クイーン・メアリ」をつらつらと見ていてなかなか過激な過去をもっていそうな発言もあったCatherine de’ Mediciに興味が沸いて手に取ったシリーズ。Francisのイメージはスペインドラマ「カルロス」とかですしね…!

ときの教皇の姪だったCatherineは恋人と別れ、14歳でフランスの第二王子Henryのものへ嫁ぐことになった。

16世紀のヨーロッパでもっとも輝かしくも不道徳な宮廷で、彼女は望まれない妻となる。王子Henryには絶対的な愛人Diane de Poitiersがすでにいた。Henryを熱烈に愛するがゆえに、Dianeの存在に悩まされ続けるCatherine。HenryとDianeの仲は公然も同然だったから、イタリア人の彼女は宮廷で軽んじられることにもなる。嫉妬に狂いながらも、それを孤立無援の自分の命とりになる…、と仮面をつけ、いつかフランスの玉座をメジチ家の相続人へ…、と野望を募らせている。そいう彼女の内面を感じるのか、子どもも全然彼女になつかないんですよね…。

これだけ孤立無援な状況で、長年、「コケ」にされ続けていたらね…、とCatherineに同情する第1巻でした。Francisのふわーっとした優雅さもでていてとてもよい。そして嫁のMary Stuartが子どもの頃から性格悪すぎなんだけど、利発さありで婚約者のYoung Francisと仲はよさげでなあたりは、ドラマと共通しているかな。コスプレ・ドラマ万歳!

主な登場人物

Catherine陣営

  • Caterina Maria Romola de'Medici…教皇の姪。Franceへ嫁いでからはCatherineと。
  • Alessandro de Medici…Caterina の異母兄弟。Caterinaより8歳年上。実はClementの隠し子?
  • Clarissa Strozzi…Caterina の伯母。
  • Filippo Storzzi…Clarissaの旦那。
  • Lovenzo tha Magnificent…Clarissaの祖父。
  • Ippolito…ハンサム。Alessandroより二歳年上。Caterinaの従兄弟。
  • Reverend Mother of the Santa Annunziate delle Murate…Caterinaの捕虜時代の修道院のマザー。
  • Cosmo…Catherineに忠実な星占術師。
  • Lorenzo…Catherineに忠実な星占術師。

フランス宮廷

  • Francis…フランソワ1世。愛人がたくさん。
  • Eleonora…スペイン出身の王妃。カルロスの姉。
  • Anne d' Heilly…Anne d’Etampesとも、フランソワ1世の愛人。
  • Maruguerite…フランソワ1世の妹。ナバラ王妃。フランソワ1世ととても仲がよい。
  • Mademorselle d'Heilly…フランソワ1世の愛人。
  • Diane de Poitiers…フランソワ1世の愛人の一人。Sénéchal of Normandyの未亡人。
  • Francis…フランソワ1世の長男。王太子。
  • Henry…フランソワ1世の次男。Catherineの夫に。
  • Charles…フランソワ1世の三男。幼かったので捕虜経験なし。Orleansに。
  • Madeleine…フランソワ1世の娘。JamesⅡへ嫁ぎスコットランドの女王に。
  • Marguerite…フランソワ1世の娘。
  • Francis…HenryとCatherineの間の長男。のちのフランソワ2世。
  • Elisabeth…HenryとCatherineの間の長女。
  • Louis…HenryとCatherineの次男。Francisよりさらに病弱でまもなく死亡。
  • Charles Maximilian…HenryとCatherineの三男。
  • Edward Alexander…HenryとCatherineの息子。Louisが死んでるけどまあ四男。他の男の子たちに比べて丈夫そう。CatherineはHenryと呼ぶ。もっとも夫のHenryに似ていると思いCatherineは一番可愛がる。
  • Jeanne and Victoire…双子。産後間もなく亡くなる。
  • Margot…HenryとCatherineの娘。Mary Stuartにベッタリ。
  • Hercule…HenryとCatherineの娘。Margotと一年も離れてない。
  • Count Sebastiano di Montecuculi…Catherine寄りのイタリア貴族。フランス皇太子殺害の容疑者。
  • D'Enghien…Refomed Partyのリーダー。KingとAnneの味方。
  • Francis de Guise…横柄だが、Henryと仲がよい。Mary Stuartの叔父。
  • de Chabot…Anne d' Heillyのお気に入りのハンサム。身分は高くないが、義理の母親が資産家なので宮廷に着飾って出入りできるように。
  • De Vivonne…フランスでもっともよい剣士として名高い。
  • Mary Stuart…Young Francisの許嫁。母親はフランス人でGuiseたちの姉。
  • Anne de Montmorency…フランソワ1世時代からのお偉いさんだが、いったんリタイア。Henryが玉座にきてから返り咲き。
  • Lady Fleming…Mary Stuartのフランスでの侍女。スコットランドのJamesⅣの娘。
  • Mairie…CatherineがDianeのために送り込んできたnurse。
  • Francis de Vendôme…宮廷イチの美男。ブルボン家に連なる王族。
  • Montgomery…若いスコットランドの騎士。

3/25/2018

The Merry Monarch's Wife: The Story of Catherine of Braganza (Queens of England)(YL5)

The Merry Monarch's Wife: The Story of Catherine of Braganza (Queens of England) (語数約 107,360語)

ポルトガル本で、なにかないかなーと思って物色していて、英国のCharlesIIへ嫁いだポルトガルの王女Catherineが主人公のこちらを発掘。こちらは英国女王ものシリーズの中の1冊ですが、1冊で話としては完結していますので、単体で読んでも十分楽しめした。Jean Plaidyの本はやっぱり面白いですね。

主人公のCatherineはJuan Ⅳでスペインからのポルトガルの独立を企てた「王」の娘です。その為、なかなか周囲の国々には「王」と認められず、いつスペインからちょっかいをかけられるかわからない小国ポルトガルとしては、スペインとも対抗できる相手としてイングランドとの同盟にめをつけます。アルマダ海戦でスペインの無敵艦隊を破ったのが英国海軍ですからね…。

ということで王女のChaterineはポルトガルを守るため、幼少時にCharlesIIと婚約します。ピューリタン革命でCharlesIIはほとんど放浪の身、いったん婚約は棚上げになっていたものの、CharlesIIが王となったため、たくさんの持参金をつけてChaterineは英国へ嫁ぎました。

CharlesIIといえば、皇太子時代にピューリタン革命の危機で大陸に逃れ転々とした暮らしをし、Oliver Cromwellの死後、まもなく英国王に返り咲いた王ですね。さすがに王権を取り戻しただけあって(なにしろ父親のCharlesⅠは処刑されていますので)、政治的なバランス感覚がなかなかあった感じも伝わってきました。翻って、英国ではブラッディ・メアリーの悪夢から君主がカトリックなんて…、と思われるに決まっているカトリックの信仰を公言してしまう弟のJamesIIのセンスのなさときたら…!という対比もわかりやすく描かれていました。

Chaterineの英国での孤立無援ぶりも、本書を読んで了解しました!ゴリゴリのカトリックの国ポルトガルから突できたChaterineは当然カトリック信者。CharlesIIが王妃に感化されるんじゃないかと最初は警戒され、カトリックであることからChaterineはとにかく英国では人気がありません。王が王妃の信仰に感化されないことは次第に周囲にも理解されていくようですが、二人には跡継ぎができませんでした。HenryVIIIのことを考えれば、CharlesIIだって跡継ぎ欲しさに彼女と離婚する決断をするかもしれないし、周囲の者たちだって彼女と離婚させようと画策してきます。なにしろCharlesIIに跡継ぎがなければ、王位継承者は弟のJamesであり、カトリックの君主をなんとしても認めたくない人たちが英国にはたくさんいました。Chaterineと離婚させてはやくCharlesIIに正当な「跡継ぎ」を作ってもらおうというロジックで動くわけです。夫婦仲は悪くはないとはいえ、CharlesIIにはたくさんの愛人もいました。

Chaterineと愛人たちとのバトルはどうなるのかな、と思いながら読んでいましたが、Catherineは性格が良いですね。跡継ぎもできず、とても不安定な身の上で、さらに愛人の存在まで受容しなければならない中、彼女はキレもせず、政治的にもギリギリのバランス感覚で、つつましさでやりすごして英国生活を生き抜くんですね。こういう不安定な駆け引きの世界ではキレたら負けですね。

主な登場人物

ポルトガル王家

  • King Juan Ⅳ of Portugal…主人公の父親。Portugal王。
  • Queen Maria Sophia…Portugal王妃。Duke fo Medina Sidoniaの娘。かなりの野心家。
  • Don Francisco de Mello, the Marquis of Ferreira…Donna Mariaの兄。主人公の名付け親。
  • Alfonso…Chaterineの弟。
  • Pedro …Chaterineの弟。Alfonsoより5歳若い。
  • Maria Françoise Elizabeth…Alfonsoの妻。しかしQueen Mariaが亡くなったあと兄弟喧嘩が始まって離婚し、Pedroと結婚。
  • Maria Sophia…Pedroの後妻。Palatinate of Neuburg。

イングランド王室関係

  • Henrietta Maria…Charlesの母。熱狂的なカトリック教徒。フランスのアンリ4世の娘。
  • Princess of Orange…CharlesIIの姉。
  • James…Duke of York。Charlesの弟。
  • Anne Hyde…Jamesの妻。Chancellor Clarendonの娘。
  • Mary…Duke of York JamesとAnneの娘。
  • Anne…Duke of York JamesとAnneの娘。
  • Henriette…Charlesの末の妹。CharlesはMinetteという愛称で呼ぶ。フランス国王Louis XIVと仲がよいがLouisの兄弟Philippeと結婚した。
  • James Franci Edward…Jamesの息子。ゴットマザーはCatherine。
  • Prince of Orange…Jamesの娘Maryの結婚相手。オランダに嫁いだ叔母Princess of Orangeの息子だからChalesIIの従兄。プロテスタント。
  • Prince George…Denmarkの王子。Jamesの娘Anneの結婚相手。財産をあまり持ってないのでAnneは英国に留まれそうというメリットが。
  • James Crofts…フランスからきた大人びた13歳。Tomas Rossに師事する。とてもハンサム。EnglandではLord Croftsと暮らしている。Charlesの亡命時代にLucy Walterとの間にできた庶子。Anneと結婚してからはJames Scottと名乗るように。
  • Anne Scott…Duchess of Buccleuch。CharlesIIの息子Jamesの妻。

愛人たち

  • Barbara Palmer, Lady Castlemaine…Charlesの恋人。…Charlesの婚前時代からの浮気相手。Barbara Villiers。気性の激しい女性で次々子どもを産む。
  • Frances Stuart…16前後の物凄い美少女。Henriettaがフランス宮廷から呼び寄せた。物凄い無邪気。
  • Nell Gwynne…人気女優。無鉄砲なタイプ。庶民からは大人気。
  • Louise de Karoualle…Charlesの妹Minnetteの英国帰国の際、一緒についてきた随行員の一人。目を引くブルターニュの美少女。

イギリス宮廷・政治家など

  • Edward Hyde…Earl of Clarendon。Charlesの腹心。Catherineとの結婚を手配した人物だがその後ぱっとしない。自分の娘AnneがCharlesIIの弟Jamesと結婚しているから、Catherineが産めず目と知って結婚させたんじゃないかと思われている。
  • Duke of Buckingham…ロイヤリストだったけど、Cromwellと手を組み英国での自領を守り、議員の娘Mary Fairfaxと結婚。
  • True Clifford…新内閣Cabalのメンバーのひとり。熱心な Catholic。
  • Arlington…新内閣Cabalのメンバーの一人。ほどほどにCatholic。
  • Ashley…新内閣Cabalのメンバーの一人。哲学者。Buckinghamのシンパ。
  • Lauderdale…新内閣Cabalのメンバーの一人。プロテスタント。Buckinghamのシンパ。
  • Earl of Shaftesbury…熱狂的なプロテスタントでカトリックのJamesとCatherineを排除したがっている。
  • Titus Oates…短期間のうちに人々に国の救済者と言われ始めた男。無頼漢。イングランド国教会を追われて、あちこちでトラブルを起こしスペインでイエズス会に入ろうとしてそこも追い出される。
  • Israel Tonge…研究者でありロンドンの牧師だった。
  • Sir Edmund Berry Godfrey…審問前に自らの剣にさされて変死。カトリック教徒の陰謀を知るものとして復讐として殺されたこだという噂。
  • Christopher Wren…ロンドン大火のあとCharlesIIが呼び寄せた建築家。

2/10/2018

Viking Blood (The Viking Series Book 6)(YL5)

Viking Blood (The Viking Series Book 6) (English Edition) (語数約62,220語)

Viking Seriesの第六巻。…なんですけど、5巻の世代からどのくらい時代が進んでいるのかは不明。Fergusonとかが出てくるのでHighlanderシリーズよりも以前の話であることは確実。

冒頭、MacGreagorの若きLaird Artairが殺されるところから始まります。彼は飛び切りの美人Lezlieとまもなく結婚するという直前。FergusonのLairdがLezlieを嫁に欲しがっていたから、もしかしてFergusonのLairdが犯人なのでは…?という憶測が飛び交う。しかし決定的な証拠はない。恋人の敵討ちを心に誓うLezlieは、近々開かれる近隣の村々が集まるお祭りに行くという。人が集まり、もしかしたら犯人のめぼしをつけられるかもしれないから。そして彼女は秘密を抱えていた…。

「犯人」は意外な人物で、まぁまぁハッピーエンド?の決着かと思いきや、Lezlieはそんな一生を送るのね、という感じで。でも彼女はMacGreagorに尽くしているともいえ、Highlanderシリーズに引き継いでいく感じの余韻なんでしょうかね?

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  3. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  4. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  5. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)

主な登場人物

  • Lezlie MacGreagor…Sassaと呼ばれている。殺されたArtairの復讐に燃える。
  • Jaydan MacGreagor…Artairの護衛責任者。
  • Grdham MacGreagor…率直。商売上手。独身。
  • Kinciad MacGreagor…Artairの甥。Greer Farquharsonが好き。
  • Glynna MacGreagor…Ale作りの達人。Lezileの叔母。
  • Robena MacGreagor…Glynnaと姉妹。Lezileの母。
  • Theron MacGreagor…ale作りに従事。Glynnaの長男。Lazileの従兄弟。
  • Hildr MacGreagor…25才の未亡人。Glynnaたちがなんやかんやと気にかけている。
  • Belford MacGreagor…13才。かなり変わっている少年。
  • Isla MacGreagor…Lezileの妹。ハープの演奏が上手い。
  • Greer Farquharson…lairdの妹。凄く美人。Kincaidは気になってしょうがない娘。
  • Laird Lyon…祭りの主催者。弓矢大会をやって犯人を誘おうとKinciadにもちかける。
  • Evanna Lyon…lairdの娘。不服従。
  • Malcolm Murray…lairdの息子。Greerと婚約。
  • Slaven…護衛を従えている男。なかなかよい身なり。