ページ

9/22/2014

Son (Giver Quartet)(YL5)

Son (The Giver Quartet) (The Quartet Book 4) (English Edition)
HarperCollinsChildren’sBooks (2014-07-31)

Son (The Giver Quartet) (The Quartet Book 4) (English Edition) (語数76,096語)

皆は彼女をWater Claireと呼んだ。嵐の後、彼女は岸辺に打ち上げられていたから。

彼女が岸に打ち上げられたとき、だれも彼女がどんなコミュニティからきたかを知らなかった。

感情も、色も存在しない世界。彼女が13才で「器」となった世界。彼女が14才で「製品」を生んだ世界。彼女からそれをとりあげてしまった世界。そんな世界は人々の想像を超えていた。

しかし彼女はとりあげられた「製品」──息子に愛情を持ちはじめる。ただ一人、彼女だけが、そのコミュニティの中で密かにわが子に対する愛情を抱きはじめる。息子を追い求めてある日、彼女はとある船へ乗り込むが、船は嵐に巻きこまれ、彼女は記憶喪失となる。

打ち上げられた岸辺の付近に住む人々に助け出された彼女は、新しいコミュニティへも次第に溶け込んでいった。かつてのコミュニティのことも忘れ、息子のことさえも忘れさったかにみえた。しかし、そんなことはありえなかった。記憶を取り戻した彼女は、想像を絶する犠牲を払ってでも、彼女の息子への思いをとめられないのだった。

Ψ

というわけで最終巻です。ヒロインのClaireが生まれた世界は、1巻The GiverのJonasと同じコミュニティです。ヒロインはJonasの妹がなりながっていたBirthmotherで、Jonasが救い出した赤ん坊の母親なので、The Giverよりも少し前の時代から第4巻はスタートします。

この4巻で一気に1巻~3巻までがつながってきます。1巻で少し話題になっていたBirthmotherたちの施設での暮らしぶり、Jonasも与えられた錠剤の秘密、そして3巻でJonasたちの村に現れた謎の男、Trademasterとは一体なんだったのか…。「物語」としては、きれいに伏線を回収してエンディングを迎えます。

きれいに伏線を回収しているし、悪くもない終わり方ですが、ただ私は、1巻や3巻で現実世界の投射を物語の中にみて、一体、Jonasたちは今後どういう未来を築いていくのだろうか?などと思ってしまいました。そういう意味では、Trademasterとの対決という形で物語のエンディングを迎えたことは、少し残念でしたね。Trademasterという「目に見える形の敵」を作って物語を回収した、といった印象です。答えのでない問題であり、私たちが常に意識していないといけない類の問題ですから、下手な解決方法の提示よりも作家としては「正直」なエンディングかもしれません。

英文についてはシリーズもので世界観をつかんでいる分だけ、ラクに読めると思います。ただ語数はこれまでよりもずいぶんあります。特に3巻は少な目だったので、特にそう感じました。

それにしても、途中、Claireがあんなマッチョな展開になるとは思いませんでしたよね!

※Giver Quartetシリーズ、ブログ内リンク

  1. The Giver
  2. Gathering Blue
  3. Messenger
  4. Son

0 コメント:

コメントを投稿